かつて、
何かと物議をかもした”中国産の食品”。
しかし、
高級食材の”松茸”も、
中国産なら、お手頃価格です。
では、
”中国産の松茸”は、
危なくはないのでしょうか?
今回は、
「中国産の松茸」について、取り上げます。
中国産の松茸には、注意が必要!?
今回の結論は、
「中国産の松茸には、注意が必要かもしれない」です。
松茸は、
香りを損ねないようにするために、
可能な限り、”洗わずに食べる”ことが理想とされています。
”洗わずに食べる”ということは、
汚染物質を十分に落とすことができないことを意味します。
つまり、
松茸は、特に汚染物質について、
特に気を配っておく必要があるといえるのです。
中国産の松茸に注意が必要だと言える理由とは
中国産の松茸は、重金属で汚染されている!?
2021年に中国の吉林省の食用キノコについて、
汚染レベルの調査が報告されました。
(参考:Pollution level and risk assessment of lead, cadmium, mercury, and arsenic in edible mushrooms from Jilin Province, China)
調査の結果、
松茸とエリンギは、重金属に汚染されていたとされています。
特に、
ヒ素汚染には、注意を払う必要があるようです。
残念ながら、
本調査は、中国の吉林省のキノコのみが対象とされているため、
すべての中国産の松茸に同じことが言えるわけではありません。
しかし、
本報告は、中国産の松茸の汚染状態を考える上で、
重要な情報の一つとして利用できます。
重金属の中には、
体内への蓄積性がある有害物質だとされているものもあるため、
可能な限り、避けておきたいところでしょう。
過去に基準値を超える殺虫剤が検出された!?
中国産の松茸に悪いイメージがついたきっかけといえば、
やはり、”残留基準値を超えた殺虫剤が検出されたこと”でしょう。
2002年には、中国産の松茸に、
”ジクロルボスという殺虫剤が、基準値を超えて検出されたこと”が報告されています。
(参考:厚生労働省>中国産まつたけに対する輸入検査の強化について)
その後も、2009年には、
”クロルピリホスという殺虫剤が、基準値を超えて検出”されました。
(参考:厚生労働省>輸入食品に対する検査命令の実施について(中国産まつたけ及びその加工品))
さらに、2006年には、
”アセトクロールという除草剤も、基準値を超えて検出”されました。
(参考:中国産まつたけから残留基準値を超える除草剤アセトクロール検出)
立て続けに、検出されていることから、
中国産の松茸には、殺虫剤が、
意図的に、用いられている可能性が高いと言えます。
また、松茸は、人工栽培が困難であるため、
収穫した後の天然の松茸に虫がつかないように、
殺虫剤が噴霧されていることが推察されます。
先述の通り、
松茸は、”可能な限り、洗わずに食べる”ことが理想とされています。
そのため、
松茸の表面に殺虫剤が噴霧されていれば、
それを十分に洗い落として食べることができないのです。
確かに、
中国国内でも食品の安全管理が強化されているのは、周知の事実です。
(参考:The State of Food Safety in China)
最近では、中国産の松茸について、
違反事例も減ってきています。
しかし、
まだまだ中国産の食品安全の改善は、
道半ばだというのが、私の認識です。
結局、中国産の松茸は、危険なの?
今回は、
「中国産の松茸」について、取り上げました。
「中国産の松茸に注意が必要だと言える理由」をまとめます。
中国産の松茸に注意が必要だと言える理由:
- ヒ素をはじめ、重金属に汚染されている可能性がある
- 殺虫剤などで汚染されている可能性がある。
最近では、
中国産の食品の安全管理が強化されているのは事実です。
しかし、
中国産の食品を何の心配もせずに食べられる日が来るのは、
もう少し先だといえるでしょう。
もし、
おいしい松茸を食べたいということであれば、
国産のものを選んでみてはどうでしょうか?