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モンゴル産の馬刺しって大丈夫なの?注意が必要な2つの理由

その食品、大丈夫?
Written by
Ken Yoshida

・約10年間、化学メーカーで研究開発業務を経験。
・専門分野は、高分子材料(プラスチック)。
・武器は、磨き上げてきた「情報検索力」と「考察力」と自負。

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スーパーで見かけるお肉といえば、
牛や豚、鶏ですよね。

しかし、やっぱり、
グルメな方にとっては、
「馬肉」も外せないのではないでしょうか。

近年、
モンゴル産の馬刺しが、お安く出回っているようですね。

そんな中で、
モンゴル産の馬刺しは、食べても大丈夫なの?
と不安に思っている方も、いるのではないでしょうか。

今回は、
「モンゴル産の馬刺し」について、
取り上げていきましょう。

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モンゴル産の馬刺しには注意が必要な点がある!?

今回の結論は、
モンゴル産の馬刺しには、注意が必要な点がある」です。

モンゴルには、
遊牧民たちが住んでいて、
自然が多く、クリーンで牧歌的なイメージがありませんか?

しかし、残念ながら、
実際にはそうではないのです。

この辺りが、
”モンゴル産の馬刺しに注意が必要な理由”に大きく関わってきます。

それでは、
くわしく見ていきましょう。

モンゴル産の馬刺しに注意が必要な2つの理由

モンゴルの大気汚染は、かなり深刻!?

モンゴル産の馬刺しに注意が必要な理由として、
モンゴルの大気汚染がかなり深刻なこと」が挙げられます。

なんと、モンゴルは、
2024年時点では、世界で28番目に大気が汚れた国だとされているのです。
(参考:IQAir

実は、モンゴルでは、
”砂漠化”や”鉱物の採掘事業”、”寒さに耐えるための大量の石炭の使用”などにより、
大気中に微細な汚染物質が大量に浮遊しているのです。
少し前に話題になった”PM2.5”や”PM10”などといった物ですね。

モンゴルでは、
1人あたり1日に280万個のマイクロプラスチックを吸い込んでいるというデータもあり、
これは、世界的に見ても突出しています。
日本の1人あたり1日に2万個と比べると、文字通りケタ違いです。
(参考:Humans Now Ingest Six Times More Microplastics Than in 1990

1人当たり1日の
最高マイクロプラスチック吸入粒子数
モンゴル285,1000個
日本20,000個
1人当たり1日の最高マイクロプラスチック吸入粒子数(モンゴルvs日本)

さて、では、
大気汚染が、馬肉に対して、
どのように関係してくるのでしょうか。

たいていの生物は、呼吸を介して、
酸素(空気)を体内に取り入れますよね。

であれば、
生物は空気が汚れていれば、
呼吸を通して、汚染物質を体内に招き入れてしまうことになります。

つまり、
汚染された環境下で育てられた馬たちの血肉には、
どうしても汚染物質を含まれてしまうことになる
のは、
想像に難くないのではないでしょうか。

そして、
我々がそんな馬たちを食べることは、
馬たちの血肉の中で濃縮されてしまった汚染物質を
一緒に食べてしまうことにつながるのです。

最近では、
マイクロプラスチックと、心臓発作や脳卒中に関連も明らかにされ始めています。
(参考:マイクロプラスチックの現状と人体への影響。最新研究で明らかになった事実とは?

以上のことから、
モンゴル産の馬刺しについては、
マイクロプラスチックのような汚染物質の観点から、
注意が必要だと言えるでしょう。

心霊やマイクロプラスチックのような、
自分の目には見えない物を信じないという人も多いようですが、
少なくともマイクロプラスチックについては、
目に見える脅威として、認識を改めた方がよさそうですね。

モンゴルの衛生環境には不安がある!?

次に、モンゴル産の馬刺しに注意が必要な理由として挙げるのは、
モンゴルには衛生面不安があること」です。

モンゴルの”下水設備の整備状況”について、見ていきましょう。
”下水設備の整備状況”は、その国の衛生環境を測る上での一つの指標となります。

Aqueductのデータから、
モンゴルでは、ウランバートルを含む多くの地域で、
下水設備が十分に整っていないことが見て取れます。

(参考:Aqueduct>Aqueduct Water Risk Atlas

当然ながら、
日本のような先進国では、
下水設備に整備状況は、リスクが「Low」となっていますが、
モンゴルについては、多くの地域で
リスクは「High」とされています。

モンゴルの下水設備の整備状況

下水設備が十分に整っていないことは、
衛生環境のリスクにつながります。

下水設備の整備が整っていない場合、
未処理の汚水が河川や地下水に流れ込むことで、
周辺の水環境が汚染される可能性が高まるからです。

加熱して食べる肉であるならば、
ある程度の衛生面のリスクは排除できるかもしれません。

しかしながら、
モンゴル産の馬肉を”馬刺し”として食べるならば、
モンゴルの衛生環境には、少なからず不安が残る
と言わざるを得ないでしょう。

ただし、
日本国内でも、輸入検査が行われていることも事実であり、
仮にモンゴル産の馬刺しが大腸菌などで汚染されていれば、
輸入は差し止められることになります。

しかし、
日本国内の輸入検査も万全であるわけではなく、
令和4年では、届け出の内、
「8.4%」の輸入食品しか、
輸入検査が行われていないのも事実なのです。

(参考:令和4年度輸入食品監視統計

やはり、
モンゴル産の馬刺しについては、
衛生面の観点からも注意が必要であると言えるでしょう。

結局、モンゴル産の馬刺しは大丈夫なの?

今回は、
「モンゴル産の馬刺し」について、見てきました。

モンゴル産の馬刺しについては、
以下の点で注意が必要であると言えるでしょう。

モンゴル産の馬刺しに注意が必要な理由:
・モンゴルの大気汚染はかなり深刻。
・モンゴルの衛生環境には不安が残る。

モンゴル産の馬肉は、
肉質が良いというのも、良く聞く話ではあるため、
少し残念な結果である気もしますね。

ただ、モンゴルの大気環境も、
2018年から、年々改善傾向にあるのも事実です。
(参考:AQAir>World’s most polluted countries & regions

世界が、少しずつ良い方向に向かっていることを考えれば、
近い将来、何の心配もなしに、
モンゴル産の馬刺しが食べられる日が来るのも近いかもしれませんね。

ひとまず、今回の結論として、
馬刺しは、国産を推しておきたいと思います。

個人的には、
馬刺しの部位の中では、割りと”たてがみ”が好きだったりします。

ぜひ試してみてはどうでしょうか。