最近、近所のスーパーに「メキシコ産の豚肉」が、
売り出され始めました。
100g当たり、
約150円となかなかの安さです。
「メキシコ産」・・・。
なんだかちょっと不安・・・。
という心配もある方もいるかもしれませんね。
今回は、
「メキシコ産の豚肉」について、取り上げます。
メキシコ産の豚肉には、少し注意が必要!?
今回の結論は、
「メキシコ産の豚肉には、少し注意が必要かもしれない」です。
もちろん、
新興国だからと言って、
イメージだけで判断しているわけではありません。
いつも通り、可能な限り、
エビデンスや事実をもとに判断しているつもりです。
それでは、
「メキシコ産の豚肉に注意が必要な理由」を
くわしく見ていきましょう。
メキシコ産の豚肉に注意が必要な3つの理由
メキシコ産の豚肉に注意が必要な理由は、
以下の3つです。
メキシコ産の豚肉に注意が必要な理由:
- ラクトパミンが使われている。
- 抗生物質の使用量がやや多い。
- 禁止薬物により、過去に中毒事件が起きたことがある。
メキシコ産の豚肉にはラクトパミンが使われている!?
まず、
メキシコ産の豚肉に注意が必要な理由としては、
「ラクトパミンが使われている」点です。
(参考:内閣府>食品安全関係情報詳細)
「ラクトパミン」は、
β作動薬と呼ばれる薬剤で、神経系に影響を与える物質です。
このラクトパミンをエサに混ぜてやると、
“牛や豚を効率的に育てられる”という作用を引き起こします。
ラクトパミンは、
人体への影響も心配される薬剤です。
そのため、
EUをはじめ、日本でも使用が禁止されています。
メキシコでは、
豚肉を育てる際に、
「ラクトパミンが使われていること」は、
マイナスポイントであると言わざるを得ません。
メキシコ産の豚肉は、抗生物質の使用量がやや多い?
メキシコ産の豚肉は、
「抗生物質の使用量がやや多いこと」についても少し気になります。
「Our World in Data」の2020年のデータを参考に、
「家畜1キログラムあたりの抗生物質の使用量」を比較してみましょう。
(参考:Antibiotic usage in livestock, 2020)
メキシコ | 日本 | |
---|---|---|
家畜1キログラムあたりの 抗生物質の使用量 | 71mg/PCU | 63mg/PCU |
2020年のデータでは
家畜1kg当たりに換算すれば、
メキシコでは、日本よりも、
多くの抗生物質が使われています。
抗生物質を多く使えば、以下ようなの心配が増えるため、
「使用量は少ない方がいい」という考え方があります。
抗生物質の乱用で引き起こされる心配:
・耐性菌の心配
・肉に抗生物質が残留する心配
メキシコ産の豚肉については、
「やや抗生物質の使用量がやや多いこと」にも注意が必要だと言えるでしょう。
メキシコ産豚肉には過去に中毒事件も・・・!?
2022年には、
メキシコの豚肉に、ネガティブなニュースがありました。
豚肉に「クレンブテロール」という禁止薬物が含まれており、
数百人が中毒を起こしたというニュースです。
(参考:Hundreds sick in Mexico linked to Clenbuterol in meat)
「クレンブテロール」は、
「ラクトパミン」と同様に、
「β作動薬」という種類に分類される薬剤です。
クレンブテロールは、中毒事件がよく起きるせいか、
多くの国で禁止されています。
本来、クレンブテロールは、
メキシコでも禁止されているはずです。
「禁止された薬剤が使われている可能性がある」というのは、
メキシコ産の豚肉にとっては、大きなマイナスポイントです。
ただし、
メキシコ産の豚肉が、
日本に輸入されるときには、
「輸入検査」や「輸入審査」が行われます。
そのため、
違反食品が日本国内に流通する可能性が、
高くないのは事実です。
しかし、
「輸入検査」や「輸入審査」が完璧なものではないことも、
また事実なのです。
なぜなら、
日本では、輸入食品の91%以上が、
無検査で輸入されているからです。
「輸入食品監視統計」によれば、
令和4年度は、届け出の内、「8.4%」の食品等が、
検査されたことが報告されています。
(参考:令和4年度輸入食品監視統計)
裏を返せば、
「91.6%の食品等は、無検査で輸入されている」ことになります。
つまり、
メキシコの悪徳業者が、悪意をもって、
粗悪な食品を輸出品の中にまぎれ込ませようとすれば、
それは不可能ではないということです。
このことについては、
国内の畜産業者にも、同じことが言えるわけですが・・・。
結局、メキシコ産の豚肉って危険なの?
さて、今回は、
「メキシコ産の豚肉」について見てきました。
メキシコ産の豚肉に注意が必要だと言える理由:
・ラクトパミンが使われている
・抗生物質の使用量がやや多い
・禁止薬物により、過去に中毒事件が起きたことがある
やはり、
「クレンブテロール」という禁止薬物や含まれていたという
ネガティブなニュースが特に気になるところでしょうか。
これらの事実を受けて、
メキシコ産の豚肉を避けておくという選択もありだと思います。
ちなみに、
私は、メキシコ産の豚肉は、
少し遠慮しておこうと思っています。