スーパーやコンビニのお弁当、
なんとなく、体に悪そうだけど、
忙しいと、ついつい食べちゃいますよね。
しかし、
お弁当を電子レンジで温めすぎると、
容器が熱でちょっと溶けてしまうことはありませんか?
見た目には、溶けていないように見えても、
電子レンジで温めると、
プラスチックは、ミクロな視点では、
溶けてしまっているかもしれないのです。
そして、今回は、
「溶けたプラスチックが、実は体に影響を与えるのではないか?」
といった話になります。
普通に考えれば、
お弁当の容器に書いてある、
「600Wで3分間、温めてください。」
という指示に従ってしまうのは当然ですよね。
しかし、
この温め方は、
ただ「お弁当をおいしく食べるためだけ」に設定されたものです。
つまり、
「人体に影響を与えないかどうか」についての観点からは、
また別の話なのです。
それでは、今回は、
「スーパーやコンビニの弁当を温めてはいけない理由」
を取り上げていきます。
スーパーやコンビニの弁当をそのまま温めてはいけない!?
今回の結論は、
「スーパーやコンビニの弁当は、そのままの容器で温めない方がよい」です。
もちろん、お惣菜も同様です。
ここで少し例え話になりますが、
バレンタインデーに本気で挑んだことがある方であれば、
よくご存じだと思いますが、
チョコレートを電子レンジで温めると、
溶けてしまいますよね。
実は、
溶ける温度が違うだけで、
プラスチックも、チョコレートと同様に、
電子レンジで温めると溶けてしまうのです。
チョコレートも、
素手で持っていると、体温で表面だけ、
少し溶けてしまうこともありますよね。
プラスチックも温められれば、
表面から少しずつ溶けてしまいます。
そして、
“溶けたプラスチック”は、
我々の体に悪さをしてしまうかもしれないのです。
「じゃあ、プラスチックは、どんな悪さをするの!?」
という点が気になるところですよね。
順を追って、確認していきましょう。
スーパーやコンビニ弁当の容器は何からできてるの?
では、まずは、
「スーパーやコンビニのお弁当の容器が何からできているのか?」
という点から見ていきましょう。
“プラスチック”と一口で言っても、
様々な種類のプラスチックがあります。
一般的に、
スーパーやコンビニのたいていのお弁当の容器は、
「ポリプロピレン」という容器からできています。
パッケージメーカーさんのホームページを参考にしてみましょう。
(参考:https://pack-depot.com/article/pack-material)
ホームページを眺めてみると、
いくつか見覚えのあるお弁当の容器がある気もしますね。
私たちがよく見かけるお弁当の容器は、
どうやら、「ポリプロピレン」でできていることが多いことがわかります。
「耐熱性」を見てみると、
どれも110℃から130℃くらいですね。
油物をのせて温めた時に、
ギリギリ耐えられるかどうか、といった温度でしょうか。
しかし、
プラスチックというのは、
“耐熱温度を超えると氷のように、急に溶け出す”
といった単純な性質のものではありません。
プラスチックは、
常温でも、ミクロな視点では、
少しずつ、動いているという考え方の学問もあるです。
そして、
温度が高くなると、
プラスチックの”動き方”は、大きくなっていきます。
ちなみに、
この考え方(学問)を「レオロジー」と言います。
それでは、
“お弁当の容器の正体”もわかったところで、
「お弁当の(ポリプロピレン)容器は危険なのか」という話に入っていきます。
スーパーやコンビニ弁当の容器に心配される「危険」とは?
さて、では、
「スーパーやコンビニ弁当の(ポリプロピレン)容器に心配される”危険”」とは、
一体、どんなことを指すのでしょうか?
当然ながら、
食器に使われるような「ポリプロピレン」には、
誰が見てもわかるような「毒性」はありません。
もし、「ポリプロピレン」に
分かりやすい「毒性」があれば、
たちまちニュースになり、
そのような食器は、店頭には並ばなくなるでしょう。
そのため、
「スーパーやコンビニ弁当の(ポリプロピレン)容器の”危険”」については、
「内分泌かく乱性」の観点からの話になります。
「内分泌かく乱性」は、
初めて聞く言葉かもしれませんね。
経済産業省によれば、
「内分泌かく乱性」とは、以下のように定義されています。
(参考:経済産業省 内分泌かく乱物質問題)
「生物個体の内分泌系に変化を起こさせ、その個体又はその子孫に健康障害を誘発する外因性物質」
経済産業省 内分泌かく乱物質問題より
つまり、
簡単な言葉で言い換えれば、
「外から来る物質が、体の中のホルモンの働きを変えて、
その人やその子孫に問題を引き起こすことがある」
ということです。
ホルモンは、
体の中のいろいろな働きに影響を与えるものですので、
考え方によっては、
「”内分泌かく乱物質”はとても危険である」と言えるのです。
では、実際のところ、
「ポリプロピレンの容器が、我々の体にどのような影響を与えるのか」
という話に入っていきましょう。
ポリプロピレンの容器は、我々にどんな影響を与える?
それでは、ここからは、
「ポリプロピレン容器の内分泌かく乱性」について、
見ていきましょう。
実は、「ポリプロピレン」は、
比較的、「内分泌かく乱性」を示しづらいプラスチックだとされています。
しかし、
無害だとは言えないのです。
実は、「ポリプロピレン」も
我々の体内のホルモンの作用に、
影響を与える可能性があることがわかってきているのです。
ポリプロピレンは、男性ホルモンの働きを阻害する!?
2019年ゲーテ大学の研究を見てみましょう。
(参考:Benchmarking the in Vitro Toxicity and Chemical Composition of Plastic Consumer Products))
この研究では、
ポリプロピレンを含む様々なプラスチックの内分泌かく乱性の一面が、
調べられています。
「スーパーやコンビニのお弁当の容器」については、
直接、検証に用いられていませんが、
近しいポリプロピレン製品の検証対象としては、
「ヨーグルトのカップ」が挙げられそうです。
報告によれば、
調べられたポリプロピレン製の「ヨーグルトのカップ」には、
「男性ホルモンの働きを阻害する作用」があったとされています。
ちなみに、
「男性ホルモンの働きを阻害する作用」のことを、
「抗アンドロゲン作用」と言います。
抗アンドロゲン作用による人体への影響は、
一概に言えませんが、
我々のホルモンの働きに影響を与えるという点では、
やはり、気をつけなければなりません。
ポリプロピレンに含まれる添加剤に注意が必要!?
2021年の北海道医療大学の研究です。
(Study finds UV stabilizers with endocrine-disrupting potential in plastics)
ポリプロピレンの製品には、
その寿命を延ばすために、
「UV安定剤」と呼ばれる、
「日焼け止め」のような添加剤が混ぜられることが多くあります。
研究では、
この「UV安定剤」が、
ポリプロピレンから溶け出してくることが指摘されています。
そして、
溶け出してくるであろう「UV安定剤」が、
“内分泌かく乱性”を有していたことが報告されているのです。
研究対象として、
集められたプラスチック製品は、
日本の小売店で買ってきた、
ポリエチレンやポリプロピレンの製品だとされています。
スーパーやコンビニ弁当は、電子レンジで温めてはいけないの!?
今回は、
「スーパーやコンビニの弁当を温めてはいけない理由」について、
取り上げました。
ここまでの話をまとめると、
「スーパーやコンビニの弁当を温めてはいけない理由」。
それは、
「人体のホルモンの働きに影響を与えてしまうかもしれないから」です。
私たちがスーパーやコンビニで、
購入して食べるお弁当の容器は、
「ポリプロピレン」というプラスチックから作られています。
ポリプロピレンの耐熱性は、
110℃から130℃程度となっています。
しかし、
プラスチックのような材料は、
耐熱温度を超えた瞬間に、
急に成分が溶け出すような単純な性質のものではありません。
電子レンジで温めたお弁当には、
「ポリプロピレンの一部」が溶けて、
忍び込んでいると考えた方が良いでしょう。
「内分泌かく乱物質」は、
我々の体内のホルモンの働きを混乱させてしまいます。
そして、経済産業省のホームページの引用によれば、
その影響は、
我々の子孫にまで影響を及ぼされるかもしれないのです。
しっかりと勉強して、
自衛をしなければ、
知らず知らずのうちに我々に体は、
影響を何かしらの影響を受けているかもしれないのです。
無知への罰ほど、
怖いものはないというわけですね。