国内に流通しているエビは、
なんと、90%以上が輸入品だと言われています。
では、日本は、どんな国から、
エビを輸入してくるのでしょうか?
答えは、
「インド、ベトナム、インドネシア」などです。
アジア圏の新興国が多いですね。
「インド産」と「ベトナム産」のエビは、
やや品質にあやしい点があるようです。
(関連記事:インド産のエビって危険なの?注意すべき3つの理由)
では、「インドネシア産」のエビは、
危険ではないのでしょうか?
今回は、
「インドネシア産のエビ」について、
取り上げます。
インドネシア産のエビには、注意が必要!?
今回の結論は、
「インドネシア産のエビには注意が必要」
です。
残念ながら、
インド産やベトナム産と同様に、
インドネシア産のエビにも、
やや注意が必要だと考えた方がよさそうです。
ちなみに私が、
いずれかを選ぶとするならば、
ベトナム産のエビを選ぶかと思います。
それでは、
くわしく見ていきましょう。
インドネシア産のエビに注意すべき3つの理由
インドネシア産のエビは細菌汚染されている!?
まずは、インドネシア産のエビを
「細菌汚染」の観点から見てみましょう。
非営利消費者団体『Consumer Reports』が、
2015年に報告したレポートによれば、
インドネシア産の養殖エビの「69%」で、
細菌の陽性反応が出たことが報告されています。
(参考:How safe is your shrimp?)
インドの「74%」やベトナムの「58%」の間くらいの
細菌検出率といったところでしょうか。
インドネシアでは、排水による環境への影響の管理が、
十分ではない側面もあるため、
どうしても、養殖物の海産物の品質管理が難しいようです。
特に多く検出されたのは、
”ビブリオ菌”と呼ばれる細菌です。
ビブリオ菌は、
100℃程度の数分の加熱で、
死滅するとされています。
もし、
インドネシア産のエビについて、
消費期限ぎりぎりの商品を選ぶ場合には、
特に注意をしましょう。
私も、食中毒の経験はありますが、
発熱や、下痢などで、すごく大変な思いをしました。
インドネシア産のエビには、耐性菌がいる!?
次は、インドネシア産のエビを
「耐性菌」の観点から見ていきましょう。
前項で見てきたように、
インドネシア産のエビは、
かなり細菌に汚染されているようです。
そして、どうやら、
その細菌は、抗生物質に対して、
「耐性」を持ってしまっているのです。
2019年のインドネシアで行われた海産物に対する調査を参考にしましょう。
(参考:Detection of antibiotic-resistant Salmonella sp. in the seafood products of Surabaya local market)
まず、
この調査で調べられた29の魚介類のサンプルの内、
27サンプルで”サルモネラ菌”という細菌が検出されました。
エビだけに着眼すれば、
6サンプルの内、6サンプルから、
サルモネラ菌が検出されています。
やはり、インドネシア産のエビは、
高確率で細菌に汚染されているようです。
そして、ここからが重要です。
サンプルの魚介類たちから、
分離された33の菌株について、
その大部分の株は、少なくとも1種類の抗生物質に対して耐性を示し、
さらには、2種類以上の抗生物質に対して耐性を示す細菌株が8株あったと
されています。
つまり、
インドネシア産のエビのサルモネラ菌の大部分には、
抗生物質への耐性があるということです。
これは、
もしも、インドネシア産のエビを食べ、
感染症になった場合、
薬で簡単に治すことができない可能性があることを意味します。
サルモネラ菌も熱には強くないため、
インドネシア産のエビを食べる時は、
しっかりと加熱をするようにしましょう。
インドネシアの食品は、少し心配!?
さて、次は、
「インドネシアの食品の管理が、どのように評価されているか」を見ておきましょう。
参考にするのは、
2022年の「Global Food Security Index」です。
(参考:Global Food Security Index 2022)
「Global Food Security Index」とは、
イギリスのメディア企業である『エコノミスト』が、
作成する世界各国の「食料安全に関する指標」です。
インドネシアのスコアを見てみると、
どうやら、インドネシアの食品の品質は、
世界的に見て、高い方とは言えないようです。
食品安全の仕組み | 食品を保存する能力 | 適切な食品安全の法律 | |
---|---|---|---|
インドネシア | 60.0 | 96.8 | 100.0 |
日本 | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
世界平均 | 68.7 | 83.8 | 70.8 |
インドネシアの「Food Safety Mechanisms(食品安全の仕組み)」のスコアは、
60.0/100と評価されています。
このスコアは、
インドと同等のスコアです。
世界平均が、68.7/100であることを考えれば、
決して良いスコアとは言えないでしょう。
「Food Safety Mechanisms」は、
食品の安全に管理するための仕組みが評価されています。
具体的には、
法律やガイドライン、食品の検査能力などが
どの程度、整っているかを表したスコアです。
残念ながら、スコアだけを見れば、
インドネシアは、食品の安全を確保する仕組みが、
世界平均と比べて、整っていないということになります。
これは、
インドネシア産のエビを買ってもよいか判断する上で、
マイナスポイントだと言わざるを得ないといえるでしょう。
結局、インドネシア産のエビって危険なの?
今回は、
「インドネシア産のエビ」について、
見てきました。
インドネシア産のエビについては、
3つの注意点が挙げられました。
・細菌に汚染されている可能性が高い
・耐性菌の発生の心配もある
・食品を管理する仕組みが未整備
インドネシア産のエビにも、
インド産やベトナム産と同様に、
細菌に汚染されているようです。
そして、
汚染された細菌の中には、
抗生物質に耐性を持った「耐性菌」が
発生してしまっているようです。
私たちが、
「耐性菌」に感染してしまった場合、
その病気を薬で治すことは困難になります。
そんな病気が、
また、世の中で広まるのは、怖いですよね。
可能ならば、
国産のエビを探してみるのもいいと思います。
流されるままに、
行きつけのスーパーだけで買い物をするのではなく、
食材の選び方の趣向を変えてみるのもよさそうです。
品質のいい食材を食べて、
健康に長生きしていきましょう。
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