疲労回復の効果で知られる”梅干し”。
そんな梅干しも”中国産”であれば、
お手頃価格で、たくさん手に入ります。
しかし、やはり、
「”中国産の梅干し”は、危険なのでは?」
という心配をしている方もいることでしょう。
今回は、
「中国産の梅干し」について取り上げます。
中国産の梅干しには注意が必要かもしれない!?
今回の結論は、
「中国産の梅干しには、注意が必要な可能性がある」です。
実は、残念ながら、
中国産の梅干しについては、
研究や調査は、ほとんど行われていません。
おそらく、海外では、
あまり梅干しを食べる文化がないため、
調査対象として、注目されていないためでしょう。
そのため、
今回は、得られる情報から、
考察をおこなっていくことにします。
中国産の梅干しに注意が必要な2つの理由
中国産の梅干しは、PFAS汚染が心配!?
まず、中国産の梅干しへの心配としては、
「PFAS」汚染が挙げられるでしょう。
PFASは、
「永遠の化学物質」とも呼ばれ、
昨今、特に注目されている有害物質の一つです。
中国産のアサリについては、
国産のアサリの10倍のPFASが検出されたことが報告されました。
(参考:中国産アサリから国産の10倍の有機フッ素化合物(PFAS)検出)
このことから、
中国の土壌や河川などは、
特にPFASで汚染されていることが推察されます。
そして、2023年には、
EUで、野菜や果物へのPFAS汚染が調査されており、
梅の近種であるアプリコットについては、
サンプルの31%にPFAS農薬が残留していたことが記されています。
(参考:Toxic Harvest)
中国は、EUよりも、
食品のPFAS汚染の心配が大きいことが予想されます。
以上のことから、
中国産の梅干しについては、
PFAS汚染に注意が必要だと考えられるのです。
中国産の梅干しは、残留農薬が心配!?
次に、中国産の梅干しへの心配として、
挙げるのは、「残留農薬」汚染です。
残留農薬についても、
”梅干し”を対象とした調査を見つけることはできませんでした。
代わりに参考とするのは、
2024年に上海で行われた研究報告です。
報告には、
2018~2021年の間に、
上海で7,028サンプルの野菜を調査したところ、
その”29.21%”に残留農薬が検出されたことが記されています。
(参考:Pesticide residue and dietary intake risk of vegetables grown in Shanghai under modern urban agriculture in 2018–2021)
直接、並べて比較するのは、適切ではないかもしれませんが、
同期間の”日本国内の農産物”の調査結果を計算してみると、
残留農薬の検出率は、”13.21%”(10,719サンプル中)となります。
(参考:農林水産省>国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について)
単純に残留農薬の検出率のみを比べると、
中国の農産物については、
日本の農産物と比べて、残留農薬の心配は大きいと言えそうです。
また、繰り返しになりますが、
今回、取り上げたデータは、”梅干し”を対象とした調査ではありません。
そのため、
断言することはできませんが、
中国産の梅干しについても、国産の梅干しに比べると、
残留農薬の心配は大きいと考えることはできそうです。
中国産の梅干しには重金属の心配は小さい?
野菜や果物に心配される汚染物質としては、
「重金属」の心配も挙げられます。
しかし、
梅干しについては、
重金属汚染の心配は、比較的小さいと言えそうです。
2014年にセルビアで、
汚染された土壌からプラムに移行する重金属について、
調査が報告されています。
(参考:Heavy Metal Content of Soils and Plum Orchards in an Uncontaminated Area)
結果としては、
重金属の種類によって、
移行のしやすさが異なることが記されています。
特に、移行しやすい金属は、
Fe(鉄)とCu(銅)だとされている一方で、
発がん性が指摘される、
Cd(カドミウム)やPb(スズ)については、
移行がほとんど起こらないとされています。
ただし、英語圏では、
プラムと梅は、きちんと区別されていないため、
本報告も、梅干しに対するピンポイントな調査報告ではないと
言い添えておく必要がありそうです。
しかし、
プラムと梅は、
いずれもバラ科サクラ属に属するため、
性質的には、ある程度、近いと言えるでしょう。
以上のことから、
中国産の梅干しについては、
重金属による汚染の心配は、比較的小さいと言えそうです。
結局、中国産の梅干しって危険なの?
今回は、
「中国産の梅干し」について、取り上げました。
中国産の梅干しについて心配な点について、まとめます。
中国産の梅干しの心配な点:
- PFAS汚染の心配がある。
- 残留農薬の検出率が心配。
その他の汚染の懸念として、
「重金属」汚染については、
比較的心配は小さいと言えそうです。
ただし、残念ながら、今回は、
中国産の梅干しを直接調査した報告を、
見つけることはできませんでした。
そのため、
今回、挙げられた内容は得られる情報からの
考察ということになります。
研究報告が少なく、
世界的に関心が小さいということは、
それだけ監視の目も少ないことを意味します。
もちろん、日本国も、
輸入検査で目の届く範囲で、
監視を行なっているはずです。
しかしながら、
日本国は、届け出の内、「8.4%」の輸入食品しか、
検査を行なっていないのも事実なのです。
(参考:令和4年度輸入食品監視統計)
個人的には、
梅干しについては、
国産の商品を選んでおきたいところです。