さて、日本がイカを
最も多く輸入している国は、
どこの国でしょうか?
答えは「中国」です。
しかし、中国産食品には、
何かと心配なイメージが、付きまといませんか?
今回は、
「中国産のイカ」について、取り上げます。
中国産のイカには、注意が必要!?
今回の結論は、
「中国産のイカには注意が必要」です。
中国は、
「世界の工場」の地位を手にしてから、
驚異的な経済成長の恩恵を受けました。
しかし、その裏側では、
“深刻な環境汚染”が進みました。
土壌も海も河も
環境汚染によって、
有害物質が蓄積してしまっているのです。
そんな環境で、
生まれ育ったイカにも、
やはり、少し注意が必要になるというわけです。
余談ですが、一般的に、
イカは、養殖ができない動物だとされています。
そのため、
スーパーのイカは漁で、
とられた天然物ということになりますね。
中国産のイカに注意が必要な2つの理由
中国産のイカは、カドミウムに注意!?
2022年、タイの食品医薬品局(FDA)から、
中国産のイカについて、とある発信がなされました。
(参考:FDA warns consumers after discovering contaminated squid from China)
なんと、
中国から輸入された冷凍イカに、
基準を超えるカドミウムが含まれていたことが判明したのです。
輸入品を抜き打ち検査したところ、
イカ1kg当たりに、
「3.27ミリグラム」のカドミウムが含まれていたのです。
なかなかの量ですね・・・。
この数値は、
基準として設定されている「2ミリグラム」を、
超えてしまっているのです。
カドミウムを基準を超えて摂取してしまうと、
以下のような、体に良くないことが起こります。
カドミウムを食事から多く摂取した場合:
★「急性」または「慢性」の毒性を引き起こす可能性があります。
★急性毒性の場合・・・吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛、腹痛、ショック、肝臓や腎臓の損傷など。
★慢性毒性の場合・・・嗅覚喪失、体重減少、貧血、呼吸困難、歯の黄ばみ、肝臓や腎臓の損傷など。
タイでは、
輸入後に違反が判明したため、
中国産の製品を買わないように国民に注意を促したようですね。
もし、日本で同じことが起きれば、
被害を抑えることができるかはわかりません。
なぜなら、
日本では、輸入食品の91%以上が、
無検査で輸入されているからです。
輸入食品監視統計によれば、
令和4年度は、届け出の内、8.4%の食品等が
輸入時に検査されたことが報告されています。
(参考:令和4年度輸入食品監視統計)
裏を返せば、91.6%の食品等は、
無検査で輸入されているということです。
食品の輸入は、
「信用」をベースに成り立っているわけですね。
これは、
注意が必要だと言えるでしょう。
中国産のイカにはPFASに注意が必要!?
次に、
中国産のイカに注意が必要な点として、
「PFAS」が挙げられます。
(参考:Legacy and novel perfluoroalkyl substances in raw and cooked squids: Perspective from health risks and nutrient benefits)
イカに含まれるPFAS
調査によれば、
イカの種類によって、
含まれるPFASの量は異なっていたようです。
小型のイカでは、
「2.00~154.11 ng/g」の
高濃度のPFASが検出されました。
一方、大型のイカでは、
「2.00~47.97 ng/g」の
比較的、低濃度のPFASが検出されました。
検出されたPFASは、
乾燥したイカから測定された量です。
さて、では、
この「イカに含まれるPFASの量はどのように解釈したらいいのか」についても、
見ておきましょう。
2020年のEFSA(欧州食品安全機関)の見解によれば、
PFASの1週間の許容量は、
「体重1kgあたり4.4ng(ナノグラム)」
だとされています。
(参考:PFAS in food: EFSA assesses risks and sets tolerable intake)
体重が50kgの方であれば、
1週間にPFASを摂取しても良い量は、
「220ng」となります。
先ほどの調査結果から計算すると、
100gの小型のイカには、
PFASが、「200~4797ng」程含まれることになります。
つまり、あなたが、
1週間に1回、100gの中国産のイカを食べる場合は、
PFASの許容量を超えてしまっているかもしれませんね。
少し注意しておきましょう。
PFASは危険なの!?
あなたが、毎週、100g以上の中国産のイカを食べる場合、
PFASの許容量を超えてしまっていることがわかってきました。
では、
そんな許容量を超えたPFASは
我々の体にどんなことを引き起こすのでしょうか?
現在、わかっている人体への影響としては、
以下のようなものが挙げられます。
(参考:Our Current Understanding of the Human Health and Environmental Risks of PFAS)
PFASの人体への影響:
★妊娠能力の低下や妊婦の高血圧の上昇などの生殖への影響。
★低出生体重、思春期の早まり、骨の変異、行動の変化など、子供の発達への影響または発達の遅れ。
★前立腺がん、腎臓がん、精巣がんなど、一部のがんのリスクが高まります。
★ワクチン反応の低下など、感染症と闘う体の免疫システムの能力の低下。
★体内の自然なホルモンの妨害。
★コレステロール値の上昇および/または肥満のリスク。
PFASは、
上記のような影響を人体に与え、
身体活動を妨害してしまう可能性が報告されています。
これが、PFASが怖いとされる理由です。
環境汚染は、巡り巡って、
我々自身の健康に跳ね返ってくるということを
常に銘じておかなければならないのかもしれませんね。
イカは調理次第でPFASを減らせる!?
しかし、そんなPFASも
イカの調理の仕方次第で、
その量が減らせることもわかっています。
イカは、焼いて調理することで、
PFASの濃度が30%低下されることが報告されています。
次いで、
揚げる、蒸すなどの調理方法も有効とされています。
どうやら、
寿司や刺身として、生でイカを食べるのは、
PFASの観点からは、あまり良くないと言えるかもしれません。
ただし、
毎週、100gのイカの寿司や刺身を
食べる方は、なかなかの生活水準とも言えそうですね。
結局、中国産のイカは危険なの!?
今回は、
「中国産のイカ」について、取り上げました。
中国産のイカには、
2つの懸念点が挙げられました。
中国産のイカに注意が必要な理由:
・カドミウムが含まれるの心配
・PFASが含まれるの心配
いずれも、
無視できない脅威であるかと思われます。
特に、PFASについては、
国内の河川でも徐々に調査が進められ、
その存在が改められようとしています。
しっかりと最新ニュースに目を向けて、
身を守るための努力をしておきたいところですね。
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