食卓には、
やはり、お肉は欠かせませんよね!
しかし、国産の牛肉は、
少し高いとに感じる方もいるかもしれません。
では、
少しお手頃なカナダ産の牛肉は、
どうなのでしょうか。
今回は、
「カナダ産の牛肉」について、取り上げます。
カナダ産牛肉には、注意が必要!?
今回の結論は、
「カナダ産の牛肉には、注意が必要」です。
カナダは、
清潔感のあるイメージもあるので、
食品の品質も高いように思われるでしょう。
しかし、
残念なことに、
カナダは、地理的にアメリカに近いためか、
少し悪い影響を受けている点も見受けられます。
発言力の強い国と
経済的なパートナーになるということには、
いいことばかりではないのかもしれません。
日本国にも同じことが言えますが・・・。
それでは、
くわしく見ていきましょう。
カナダ産の牛肉に注意が必要だと言える理由
カナダ産の牛肉に注意が必要だと言える理由は、
以下の1つです。
カナダ産の牛肉に注意が必要な理由:
- ホルモン剤が使われている。
カナダ産の牛肉にはホルモン剤が使われている!?
外国産のお肉について、
1つの判断基準となるのは、
「ホルモン剤が使われてるかどうか」です。
残念ながら、
カナダでは、牛肉にホルモン剤を使うことが認可されています。
2024年現在でも、
世界では、「ホルモン剤の使用の是非」について、
意見が2つに分かれています。
ヨーロッパや日本では、
「ホルモン剤は体に悪い影響を与えるかもしれない」として、
使用は許可されていません。
対して、
アメリカやオーストラリアでは、
「ホルモン剤が体に悪いことに科学的根拠はない」として、
使用を許しています。
この議論において、
カナダは「ホルモン剤を使用してもよい」という立場を取っています。
これについては、
カナダ政府もホームページで、はっきりと公言しています。
(参考:https://www.canada.ca/en/health-canada/services/drugs-health-products/veterinary-drugs/factsheets-faq/hormonal-growth-promoters.html)
特に、
体への悪さが心配される合成型ホルモンについても、
しっかりと認可されていることが記されていますね。
ホルモン剤の中には、
一部では、発がん性が認められているものもあり、
大部分がリスクを評価するには、データが不十分だとされています。
(参考:What is hormone treated beef?)
カナダ産の牛肉には、
「ホルモン剤が使用されていること」から、
注意が必要だと言えるのです。
カナダ産の牛肉の品質が高いと言える2つの理由
一方で、
カナダ産の牛肉の
「品質が高いと言える理由」についても
まとめておきます。
カナダ産の牛肉の品質が高いと言える理由:
- 抗生物質の使い方が適切。
- BSE対策が徹底されている。
カナダ産の牛肉の抗生物質の使い方は適切!
カナダ産の牛肉の品質が高いと言える理由の一つとして、
「抗生物質の使い方が適切」な点が挙げられます。
カナダ産の牛肉については、
かなり適切に抗生物質が使用されているようです。
当然、抗生物質は、
牛たちを健康に育てる上で、必要なものです。
ですので、
どんな国も牛や豚たちを育てる上で、
抗生物質そのものを禁止することは、
基本的にありません。
ただし、
“抗生物質の乱用”は、以下のような心配を引き起こします。
抗生物質の乱用で引き起こされる心配:
・耐性菌の発生リスク
・抗生物質の残留物リスク
そのため、
抗生物質は、
使い方をしっかりと管理する必要があるのです。
では、
カナダ産の牛肉については、
どのように抗生物質が使われているのでしょうか。
カナダの肉用牛研究評議会(BCRC)によれば、
カナダでは、個々の牛たちに対して、
投与された抗生物質の量をしっかりとモニタリングされています。
(参考:https://www.beefresearch.ca/topics/antibiotic-resistance/)
これなら、
“抗生物質の乱用”の心配は、
最小限に抑えられます。
あわせて、
「カナダの家畜への抗生物質の使用量」についても、
見ておきましょう。
2020年の「Our World in Data」のカナダのデータによれば、
「家畜1kgを育てる時に使われる抗生物質の量」は、
「60mg」とされています。
(参考:Antibiotic usage in livestock, 2020)
同じ出所のデータによれば、
日本は、「63mg」とされています。
抗生物質の使用量については、
カナダと日本は、同じ程度のようです。
もしかしたら、
抗生物質の使い方は、
日本よりもカナダの方が、上手かもしれませんね。
カナダ産牛肉、BSE対策は徹底されている!
ホルモン剤の懸念があるカナダ産牛肉ですが、
安全のために、特に気をつけられている点もあります。
「BSE対策」です。
BSEは、ご存じでしょうか?
別名『狂牛病』ですね。
2000年代に話題になったのを、
覚えている方もいるかもしれませんね。
「BSE」は
BSEにかかった牛を
別の牛が食べてしまうと、
健康だった別の牛もBSEにかかってしまうという感染性の怖い病気でした。
そして、さらに怖いことに、
BSEにかかった牛を食べてしまった人は、
「クロイツフェルト・ヤコブ病」という
致死率の高い病気になってしまいます。
「そんな怖い病気になるのならば、牛肉なんて食べたくない・・・!」
そう思ってしまう人もいるかもしれませんよね。
しかし、
しっかりとした管理が行われていれば、
BSEが蔓延することはありません。
この「しっかりとした管理」が
カナダでは徹底されているのです。
BSEの原因となる物質は、
牛の脳や脊髄などの「特定危険部位」と呼ばれるところに
溜まっていきます。
そのため、これらの部位をすべて、
取り除くことで、BSEが蔓延する心配をなくすことができるのです。
ちなみに
アメリカ産の牛肉は、
BSE対策が、完璧ではないため、
BSEのリスクがゼロだとは言い切れません。
結局、カナダ産の牛肉って危険なの?
さて、
今回は、
「カナダ産の牛肉」について見てきました。
国産牛と比べると、
カナダ産の牛肉には、以下の心配があるようです。
カナダ産の牛肉に注意が必要だと言える理由:
・ホルモン剤が使われている。
ただし、以下の理由から、
カナダの牛肉の品質が高いと言えます。
カナダ産の牛肉の品質が高いと言える理由:
・抗生物質の使い方が適切。
・BSE対策が徹底されている。
カナダでは、
個々の牛たちのモニタリングをしっかりと行い、
一頭一頭の牛たちを大事に育てているようですね。
また、
カナダでは、BSE対策も、しっかりと実施されています。
「ホルモン剤」の認可については、
少し注意が必要ですが、
カナダ産の牛肉の品質は、高いと言えます。
「ホルモン剤が使われていること」について、
どのように認識するかによって、
カナダ産牛肉への判断は変わってくることでしょう。
以上のことを総合的に考えると、
私は、カナダ産の牛肉を積極的には買わない判断ですが、
肉質がよいとの評判もありますので、買いたい気持ちもあります。
あなたのかしこい食品選びに役立てば何よりです。