ブラジル産の鶏肉は、安いですよね!
しかし、
「ブラジルって大丈夫なの・・・?」
という心配はありませんか?
失礼な表現になりますが、
人によっては、ブラジルに対しては、
あまり清潔感のあるイメージを持たれていないかもしれませんね。
今回は、
「ブラジル産の鶏肉」について、取り上げます。
実は、ブラジル産の鶏肉には注意が必要!?
今回の結論は、
「ブラジル産の鶏肉には注意が必要な点がある」です。
私は、ブラジル産の鶏肉には、
いくつかの「潜在的な危険」があると考えています。
しかしながら、
ネット上では、一部「デマ」として、
勘違いされていることもあるように思います。
以上の前提を踏まえ、
今回は、ブラジル産鶏肉について、以下のように
整理していきたいと思います。
1、ブラジル産の鶏肉が危険だと言える3つの理由
2、ブラジル産の鶏肉に関する4つのデマ
3、ブラジル産の鶏肉が安さの裏側
ブラジル産の鶏肉が危険だと言える3つの理由
まずは、
ブラジル産の鶏肉が危険だと言える理由について、
まとめていきます。
新興国特有のモラルの低さは危険!?
過去に、ブラジルの鶏肉には、
”とても悪いニュース”がありました。
2017年のこと、
ブラジルの食肉加工業者が、
検査官に「賄賂」を送り、
衛生基準を満たさない食肉を出荷していたことが
明らかになったのです。
(参考:ブラジル産食肉、検査官贈賄疑惑で中国やEUが輸入停止)
さらに、
2018年には、検査データの改ざんも発覚しています。
(参考:ブラジル、再び食肉不正 鶏肉の価格上昇要因に)
「賄賂」や「検査データの捏造」などの品質不正は、
ブラジルという国の「食品安全への意識の低さ」を示す、
かなりネガティブなニュースだと言えます。
では、
日本国は、輸出されてきた、粗悪な鶏肉を
黙って受け入れてしまうのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
日本国内でも水際対策として、
「輸入検査」が、行われています。
しかしながら、
この「輸入検査」も、過信してはいけないのです。
なぜなら、
日本では、輸入食品の91%以上が、
無検査で輸入されているからです。
「輸入食品監視統計」によれば、
令和4年度は、届け出の内、「8.4%」の食品等が、
検査されたことが報告されています。
(参考:令和4年度輸入食品監視統計)
裏を返せば、
「91.6%の食品等は、無検査で輸入されている」
ことになります。
食の安全は、あくまで、
「信用」をベースに成り立っています。
そのため、
悪意のある業者から入り込む食品に対しては、
日本の水際対策は、ほとんど無力だと言えるのです。
ブラジル産鶏肉は細菌汚染されていて危険!?
2023年には、
「サルモネラ菌の汚染」により、
400トン以上のブラジル産の鶏肉がリコールされました。
(参考:Over 400 tonnes of chicken meat recalled in Brazil over Salmonella fears)
細菌汚染の不安は残る一方で、
ブラジルでは、リコール体制が、
しっかりと構築されていることが明らかなったのは、
プラスポイントだと言えますね。
ただし、
2019年にも、
英国でブラジル産の鶏肉について、
サルモネラ菌に関する注意喚起が行われています。
(参考:Brazil sent 1 million contaminated chickens to the UK in two years)
ブラジル産の鶏肉のサルモネラ菌の問題については、
少し注意が必要だと言えます。
特に、
消費期限がギリギリに迫った、
ブラジル産の鶏肉を食べる場合には、
注意した方が良いでしょう。
ただし、
過去の調査によれば、国産の鶏にも、
サルモネラ菌が存在する可能性があることは報告されていますので、
鶏肉は、しっかりと加熱して食べましょう!
(参考:鶏肉における サルモネラ属菌の リスクプロファイル)
サルモネラ菌は、
75℃以上の1分間の加熱で死滅するとされていますので、
料理の際には、参考にしてみてください。
(参考:株式会社ニチレイ>安全・安心な食の知識 家庭で発生しやすい食中毒菌と殺菌方法 「知る」ことで食中毒から身を守る)
ブラジルの汚染された土壌が、鶏を汚染する危険も!?
次は、
「ブラジルの汚染された土壌が、鶏たちを汚染してしまう」危険についてです。
実は、
「土壌汚染」と「鶏たちの汚染」には、
意外な関係があるのです。
鶏たちには、
「地面をつついて餌を探す」習性があります。
そのため、
鶏たちは、土壌中の重金属や農薬を摂取しやすいのです。
実際に、
オーガニックの鶏卵が、
「環境の汚染状態を反映する」ことも報告されています。
(参考:Organic eggs as an indirect indicator of agricultural environmental pollution – preliminary research)
つまり、
土壌汚染が進んでいる地域で育てられた鶏たちは、
有害な重金属や農薬で汚染されている可能性が高いのです。
ブラジルでは、
農薬や重金属により、土壌が汚染されていることが、
近年、明らかにされています。
(参考:Brazil: “The Continent” That Does Not Look at Its Ground)
あまり指摘されることはありませんが、
私は、ブラジル産の鶏肉にとって、
この土壌汚染の心配が、特に大きいと考えています。
ブラジル産の鶏肉に関する4つのデマとは
ここまでは、
「ブラジル産の鶏肉が危険だと言える理由」について、
見てきました。
ブラジル産の鶏肉に悪いイメージが、
ついてしまったかもしれませんね・・・。
ここからは、
「ブラジル産の鶏肉のデマ」について、
まとめていきたいと思います。
ブラジル産の鶏肉には、ホルモン剤は使われていない!
ブラジル産の鶏肉のデマの1つ目として挙げたいのは、
「ホルモン剤」についてです。
ブラジル産の鶏肉には、
ホルモン剤は使われていません。
ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)によれば、
ブラジル産の鶏には、
ホルモン剤の使用は禁止されています。
(参考:ABPA ANNUAL REPORT 2022)
ここで、
「禁止されていれば、本当に使われていないと考えていいの?」
と少し不安が残りますよね。
もう少しくわしく掘り下げておきましょう。
鶏の体内でホルモン剤が効き始めるまでに、
「60日」程、時間がかかります。
しかし、
鶏は、約「42日」で出荷されてしまいます。
つまり、鶏には、
ホルモン剤を作用するまでの十分な時間がないのです。
そもそも、使用するメリットがないということですね。
このことから、
ブラジル産の鶏肉には、
「ホルモン剤は使われていない」と考えてよいと言えるのです。
ブラジル産の鶏肉は薬漬けはデマ!?
「ブラジル産の鶏肉は薬漬けだ!」などという
とんでもない噂もありますね。
2つ目は、ブラジル産の鶏には、
「抗生物質の使用」についてです。
「ブラジル産の鶏肉に大量に抗生物質が使われている」という話についても、
誤りだと言えそうです。
まずは、
「抗生物質の使い方」について、
確認しておきます。
家畜を育てる時に
「抗生物質を使う目的」は、以下の2つです。
抗生物質の用途:
・病気を治すため
・成長を早めるため
抗生物質の正しい使い方は、
「病気を治すため」です。
一方で、抗生物質は、
「成長を早めるため」に使われることもありますが、
こちらは悪い使い方だとされています。
そして、ブラジルでは、
「成長を早めるため」に抗生物質を使うことは禁止されています。
(参考:Brazil bans the use of growth-promoting antibiotics)
近年、多くの国で、
抗生物質を「成長を早めるため」に使うのは、
禁止されています。
これは、
人類を「耐性菌」から守るために必要な措置なのです。
さらに、
2020年の「Our World in Data」データでは、
「ブラジル」は「日本」に比べて、
「肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量」を少なく抑えられているのです。
(参考:Antibiotic usage in livestock, 2020)
ブラジル (mg/PCU) | 日本 (mg/PCU) | |
---|---|---|
肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量 | 56 | 63 |
抗生物質については、
多く使えば、「耐性菌」が発生するリスクが高まるため、
使用量は少ない方がいいと考えられています。
世界的には、
「肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量」を
50mg以下に抑えることが推奨されています。
ですので、ブラジルは、
おおむね目標を達成できていると言えますね。
つまり、
「ブラジル産の鶏肉には、抗生物質は適切に使われている」
と考えてよいということです。
鶏たちの生育環境は、日本よりもブラジルの方が良好!
次は、
ブラジルの鶏たちの「生育環境」についてです。
ブラジル産の鶏は、
劣悪な環境で育てられているという話も誤りだと言えます。
実は、逆に、
「日本よりも、ブラジルの方が、鶏の生育環境が良い」のです。
世界動物保護団体が発表している、
2020年の各国の「動物保護指数」で、
「ブラジル」と「日本」を見てみましょう。
(参考:Animal Protection Index)
「Protecting animals used in farming(家畜の保護)」のスコアは
以下のようになっています。
ブラジル | 日本 | |
---|---|---|
Protecting animals used in farming(スコア) | D | G |
スコアは「A」から「G」まであり、
「G」が、最も悪い評価です。
ブロイラー鶏へのコメントを見てみると、
日本もブラジルも
飼育密度を「30 kg/m2 以下」に減らすよう、
推奨を受けています。
日本もブラジルも
かなり狭い環境で、
ブロイラー鶏の飼育が行われているようです。
そして、さらに、
日本の「家畜の保護」については、
さらにコメントがあり、
「動物の 5 つの自由を保護する」ように
推奨されています。
5つの自由とは・・・
〇飢えや渇きからの自由
〇不快からの自由
〇痛み・負傷・病気からの自由
〇本来の行動がとれる自由
〇恐怖・抑圧からの自由
日本の鶏たちには、
これらの自由すらも与えられていないのです。
当然ながら、ストレスにさらされた鶏たちは、
病気になりやすくなってしまいます。
動物福祉は、
ある程度、配慮されていた方がいいといえるでしょう。
実は、ブラジルは食品を安全に管理する能力は高い!
ブラジルは、
新興国のイメージが強いため、
「食品を安全に管理する能力が低い」と考えている方も多いでしょう。
実は、意外にも、
「ブラジルの食品を安全に管理する能力は高い」のです。
参考にするのは、
2022年版「Global Food Security Index」の「Food Safety(食品安全)」に関するスコアです。
(参考:Global Food Security Index 2022)
食品安全の仕組み | 食品を保存する能力 | 適切な食品安全の法律 | |
---|---|---|---|
ブラジル | 100.0/100.0 | 100.0/100.0 | 100.0/100.0 |
日本 | 100.0/100.0 | 100.0/100.0 | 100.0/100.0 |
ブラジルの「食品安全」に関するスコアは、
実は、日本と同等であり、
とても高く評価されているのです。
すなわち、
ブラジルでは、食品を安全に管理するための
”法律”や”ガイドライン”、”食品を検査する能力”などが、
十分に整っているということになります。
ブラジルは、
鶏肉を世界各国に輸出できるようにするため、
かなり、しっかりと国内の食品の管理能力を整えたことがうかがえます。
ブラジル産の鶏肉の安さの裏側
さて、では、
「なぜ、ブラジル産の鶏肉が世界でもトップクラスに安いのか?」
という点にも触れておきましょう。
ブラジルは、日本と比べても
以下のような特徴があるため、
鶏肉も安く生産できることは、よく知られています。
ブラジルの鶏肉が安い理由:
・人件費が安い
・地価が安い
しかし、
ブラジル産の鶏肉が、
安い理由はそれらだけではありません。
実は、ブラジルには、
世界中に安い鶏肉を提供できるようになるまでの間には、
とても「後ろ暗い歴史」があるのです。
その「後ろ暗い歴史」とは、
「違法な人権侵害や森林伐採」のことです。
イギリスの非営利団体である『Earthsight 』の記事を参考にしましょう。
(参考:There Will Be Blood―The Ugly Truth Behind Cheap Chicken)
ブラジルという国は、
農業ビジネスを拡大させる上で、
かなり無茶な手段をとりました。
それが、「違法な人権侵害と森林伐採」です。
「ブラジリア・ド・スル」という地域は、
現在では、ブラジルの鶏たちの飼料となる大豆が、
多く育てられる立派な農地となりました。
しかし、「ブラジリア・ド・スル」には、
「グアラニ・カイオワ族」という先住民の方々が住んでいました。
そして、あろうことか、
ブラジル政府は、農地ビジネスの拡大を進めるため、
「グアラニ・カイオワ族」を
暴力的・強制的に追い出すことを黙認してしまったのです。
「グアラニ・カイオワ族」を追い出す際には、
多くの血が流れたことも伝えられています。
ブラジルは、その惨劇によって、
得られるようになった安い飼料を
鶏たちに食べさせながら、
世界最大の鶏肉輸出大国を作り出したのです。
つまり、
ブラジルの鶏肉が安いことの裏側には、
それなりの事情があるのです。
もしかしたら、あなたは、スーパーで買える鶏肉が安ければ、
事情なんて、どうだっていいと思うかもしれません。
しかし、世界では、
このようなアンフェアなトレードを、
敬遠する風潮が広がっているのです。
一部でブラジル産の鶏肉を使っているとされる
ケンタッキーフライドチキンも
本件には、コメントの要請に応じない姿勢を見せたようです。
今後も、これまで通りの価格で
ブラジル産の鶏肉が提供され続けるかは、
わからないところではありますね。
ブラジル産の鶏肉を食べた感想
次は、実際にブラジル産の鶏肉を食べた感想です。
地元のスーパーに並んでいた、
ブラジル産の鶏肉を食べてみました。
味がわかりやすいように、
料理は「水炊き」です。
口に入れてみると、
鼻に通るようなツンとした臭みを感じました。
国産の鶏肉とは、
脂肪の付き方が違うせいでしょうか。
私は、比較的、味覚には敏感な方なので、
これが、なかなか気になります。
やはり、個人的には、
国産の鶏肉を買っていきたいところだ、
というのが正直な感想です。
結局、ブラジル産鶏肉って危険なの?
今回は、
「ブラジル産鶏肉って、危険なの?」
について、見てきました。
ブラジル産の鶏肉が危険だと言える理由は、
以下の3つが挙げられました
ブラジル産の鶏肉が危険だと言える理由:
・新興国特有のモラルの低さによる不正リスク
・細菌汚染のリスク
・ブラジルの汚染された土壌のリスク
ブラジル産の鶏肉について取り上げたデマは、
以下の4つが挙げられました。
ブラジル産の鶏肉に関するデマについて:
・ブラジル産の鶏肉にホルモン剤は使われていない
・ブラジル産の鶏肉の抗生物質の使い方は適切
・ブラジル産の鶏肉は日本より、動物福祉に配慮されている
・ブラジルは、食品を安全に管理する能力が十分に高い
危険だと言える理由も多く出てきましたね。
しかし、私は、
ブラジル産鶏肉を買うのを
きっぱりやめる必要まではないと思っています。
ブラジル産の鶏肉は、
仮にも日本という先進国の税関を通って、
きちんと検査(審査)を受けた上で、
スーパーに並んでいます。
先進国のきびしい審査に通るということは、
それなりの品質が保証されているということです。
しかし、
私は、「国産」と「ブラジル産」の鶏肉が並んでいたら、
「国産」を選ぶようにしています。
ブラジル産の鶏肉は、
脂肪の量の違いのせいなのか、
どうしても、鼻につく臭みが気になるからです。
あなたも、
自分なりに理由を考えてみて、
納得のいく方を選んでみてはどうでしょうか。
食材宅配サービスは、わりとおすすめ!
さて、
食品に安全について、
しっかり勉強する時間がない、あなた!
私のおすすめは、
「食材宅配サービス」です。
食材宅配サービスの良いところは、
「安全な食品を提供してくれること」だけではありません。
「自分で買い物に行かなくてよくなる」
これは現代において、
非常に大きなメリットです。
賢い人は、今や
「お金」で「時間」を買う時代です。
あなたは、
毎週、生活必需品の買い物なんかに
何時間も拘束されてはいませんか?
それに、
毎日の献立を考えるのに、
素人のあなたが脳のリソースを
使うのは非常にもったいないです。
そこはもう、
プロに任せましょう!
「食材宅配サービス」は、
あなたの「健康」と「時間」と「自由」への投資です。
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