「アメリカ産の牛肉って、安いけど、どうなの?」
と思ったことはありませんか?
実は、「アメリカ産の牛肉」に関しては、少し注意が必要なのです!
今回は、
「アメリカ産の牛肉」について、
取り上げていきます。
アメリカ産の牛肉には、注意が必要!?
さて、今回の結論は、
「アメリカ産の牛肉には、注意が必要」です。
理由は、以下の2つです。
アメリカ産の牛肉に注意が必要な理由:
- アメリカ産の牛肉にはホルモン剤が使われているから
- アメリカ産の牛肉は、BSEのリスクがゼロではないから
それでは、2つの理由について、
くわしく見ていきましょう。
アメリカ産の牛肉には、ホルモン剤が使われている!?
アメリカ産の牛肉に注意が必要な理由として、
「ホルモン剤が使われていること」が挙げられます。
「ホルモン剤」は
牛たちを育てる側にとっては、
お肉を効率よく生産するために都合のよい薬剤です。
しかし、
ホルモン剤を長期的に食べ続けた場合の人体への影響については、
よくわかっていないと言われています。
我々は、
そういった”人体への影響がよくわかっていない物質”からは、
自身で身を守るしかないのです。
ホルモン剤は、体に悪いの!?
それでは、「ホルモン剤は体に悪いのか」について、
見ていきましょう。
EUは、ホルモン剤について、
以下のように結論づけました。
「エストラジオール17βは完全な発がん物質(腫瘍形成作用と腫瘍促進作用の両方を発揮する)と見なされるべきであり、利用可能なデータではリスクの定量的推定は不可能であることを示唆する証拠が多数存在する」
(参考:Hormones in meat)
「エストラジオール17β」は、ホルモン剤の一種です。
注目すべきは、
「エストラジオール17βは完全な発がん物質と見なされるべき」
という部分でしょうか。
「リスクの定量的推定は不可能」とは、
「どの程度、危険か測ることができない」と言い換えられるでしょう。
EUが、「ホルモン剤には一定のリスクがある」と認識していることが、
伺い知れる内容だと言えます。
ホルモン剤は、微量でも危険なの?
さて、
EUの見方によれば、
「ホルモン剤には一定のリスクがある」と考えられます。
しかし、
食事から、口に入るホルモン剤の量は、
かなりの微量だと言えます。
ホルモン剤は、”微量でも”、
EUの言う通り、人体に影響を与えてしまうのでしょうか?
これについては、
「ホルモン剤は、微量でも人体に影響を与える可能性はある」と言えます。
例えば、
細菌やウイルスなどは、
目には見えない程、微量なのに、
人体に、とても大きな影響を与えます。
つまり、
微量であれば、人体には影響を与えないという考え方は、
必ずしも、正しいとは言えないのです。
ホルモン剤は、どのように危ないの?
「ホルモン剤」は、
人間の体内で作られる「ホルモン様物質」を模して、
作られた薬剤です。
家畜を育てる時に使われるホルモン剤は、
体内で、”男性ホルモン”や”女性ホルモン”の働きをする「ホルモン様物質」を模して、
作られています。
「ホルモン様物質」は、
体内の”ホルモン受容体”という器官に結びついて、
効果を発揮する物質です。
そのような作用の仕方をする物質であるため、
ホルモン様物質は、たとえ微量だとしても、
その効果を表す可能性は十分にあるのです。
アメリカ産牛肉は「BSE」のリスクもゼロではない!?
ホルモン剤ほど、
明確な危険ではありませんが、
アメリカ産牛肉には、
実は、もう一つ無視できない心配があるのです。
「狂牛病(BSE)」のリスクです。
BSEは、牛が牛を食べて感染が拡大する!?
BSEの感染拡大は、
2000年代に一世を風靡した大事件でした。
”BSEに感染した牛を、別の牛が食べる”ことによって、
その感染は拡大していったのです。
”BSEに感染した牛を別の牛が食べる”といっても、
何も、お腹を空かせた牛たちが、
共食いを始めたわけではありません。
牛たちを育てる時のエサとして、
食肉に利用できなかった他の動物たちの”骨”や”内臓”、”くず肉”などを、
加工して食べさせるのです。
この時に牛たちに食べさせる、
他の動物たちの”骨”や”内臓”、”くず肉”などを「肉骨粉」といいます。
この「肉骨粉」を介して、
BSEの感染は拡大していったと言われています。
実は、アメリカのBSE対策は十分ではない!?
もちろん、
各国は、BSE問題を受け、
それぞれに対策を行いました。
日本やヨーロッパでは、
牛たちに肉骨粉を食べさせること自体が禁止されています。
しかし、
アメリカの対策は、少し違います。
アメリカでは、
”牛”に”牛から作られた肉骨粉”を食べさせることが禁止されたのです。
日本やヨーロッパとは違い、
アメリカの牛は、
”牛以外の動物から作られた肉骨粉”を食べていることになります。
そして、
”豚”や”鶏”たちは、
「牛から作られた肉骨粉」も食べています。
ここからが、
アメリカのBSE対策について、少し気になる話です。
アメリカでは、
”鶏”のエサの食べ残しを
”牛”にあげることが許されているのです。
つまり、
”鶏”のエサの食べ残しは、
”牛”のエサに混ざってしまうということです。
これは、ヘタをすれば、
まずいことが起きそうです。
仮に、
”BSEに感染した牛”がいるとします。
”BSEに感染した牛”が亡くなると、
その一部は、「肉骨粉」にされることになります。
「BSE肉骨粉」の出来上がりです。
この「BSE肉骨粉」は、
”鶏”のエサになります。
ここまでは問題ありません。
しかし、その後、
”鶏”が「BSE肉骨粉」を食べ残せば、
それを”牛”たちが食べてしまうことになるのです。
「BSE肉骨粉」を食べた”牛”は、
BSEに感染してしまいます。
つまり、
アメリカでは、依然として、
「BSEの感染拡大リスク」がゼロではないのです。
そのため、
このリスクが怖ければ、
「アメリカ産の牛肉」は
食べない方がよいということになるのです。
補足として、
BSEの原因物質は、
脳や脊髄などに存在するため、
これらの部位を「肉骨粉」にしないという対策は採られています。
そのため、
BSEの感染拡大の心配は、
限りなく小さいとも言えそうです。
結局、アメリカ産の牛肉は食べても大丈夫なの?
今回は、
「アメリカ産の牛肉」について、
取り上げました。
アメリカ産の牛肉に注意が必要な理由としては、
以下の2つが挙げられました。
- アメリカ産の牛肉にはホルモン剤が使われているから。
- アメリカ産の牛肉は、BSEのリスクがゼロではないから。
「アメリカ産の牛肉」には、
多くの人が想定しているよりも、
大きなリスクがあると、私は思っています。
何も知らずに、
アメリカ産の牛肉を食べてきた人には
耳の痛い話だったかもしれません。
一方で、実は、
「ホルモン剤は、牛の体内で代謝されるため、残留物の心配はない」
という楽観的な意見もあります。
ですので、
「アメリカ産の牛肉は、絶対に食べてはいけない」
と決めつけることもできません。
ただし、
アメリカ産の牛肉を食べ続ける限り、
ホルモン剤のリスクとつき合い続けることになります。
BSEのリスクについても、同様です。
結局のところ、
「アメリカ産の牛肉は食べても大丈夫なのか?」については、
あなた自身が判断するしかないのです。
・リスクを承知で食べ続けるのか
・少し高くても国産牛を食べるのか
・牛は食べずに豚や鶏で我慢するのか
正しい情報を知った上で
賢い選択をしていきましょう。
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